皇族16人のうち皇位を継げるのは3人。10月24日、皇室典範が79年で初めて変わる
柱は女性皇族の身分保持と旧宮家の養子で、どちらも皇族の人数を増やす策だ。養子本人にも女性皇族の子にも皇位継承資格は生じず、資格者は3人のまま。40代以下の皇族6人のうち、資格を持つのは1人だけだ
2026-10-10
3
皇位を継げる皇族の数(全16人中)
10月24日に施行される2つの柱
1947年5月に施行された皇室典範が、10月24日に姿を変える。本則に実質的な中身の変更が入るのは、制定から79年で初めてだ。
政府が6月30日に法案を閣議決定し、7月17日に参院本会議で可決して成立した。公布は7月24日で、施行はその3カ月後になる。
変わるのは2点だ。
- 婚姻による皇籍離脱を定めた第12条を削除する。内親王と女王は、皇族以外の男性と結婚しても皇族に残る
- 養子を禁じた第9条に例外を設ける。1947年に皇籍を離れた旧11宮家の男系男子を、養子として迎えられるようにする
いまの皇族は16人だ。内廷の5方と、5つの宮家の11方からなる。
男性が5人、女性が11人。40代以下は6人しかおらず、そのうち5人は女性だ。
皇族16人のうち、皇位を継げるのは3人
出典:宮内庁「皇室の構成」、時事通信(2026年6月10日)
皇位継承資格を持つ3人の年齢
皇位継承資格を持つのは3人だ。常陸宮正仁親王、秋篠宮文仁親王、悠仁親王である。
2026年10月時点の年齢は、90歳、60歳、20歳になる。40代以下の皇族6人のうち、資格を持つのは悠仁親王1人だけだ。
改正後も、この3という数字は動かない。
- 女性皇族は結婚後も皇族に残るが、皇位継承資格は生じない。夫と子は一般国民のままで、本人は皇統譜、家族は戸籍で別々に管理される
- 養子として迎えられた男性本人にも継承資格はない。継承順位を定めた規定の対象から外されている
- 資格が生じるのは、養子に男子が生まれた場合の、その子からだ
今回の改正は、皇族の人数を増やす策と、皇位を継げる人数を増やす策が同じ時間軸に乗っていない。前者は施行の日から効き、後者は次の世代を待つことになる。
皇位継承資格を持つ3人の年齢(2026年10月時点)
出典:宮内庁の公表資料をもとに算出
養子縁組が成立するまでに必要な条件
養子の制度が実際に動くには、いくつもの条件が重なる必要がある。
- 対象は旧11宮家の男系男子で、15歳以上、配偶者と子がいない人に限られる
- 養親になれるのは親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王で、皇嗣と皇嗣妃は除かれる
- 縁組には皇室会議の議を経る
旧11宮家は、山階、賀陽、久邇、梨本、朝香、東久邇、竹田、北白川、伏見、閑院、東伏見の各家だ。報道では旧4宮家に未婚の男系男子がいるとされるが、宮内庁は現時点で具体的な対象者を把握していないとしている。
天皇陛下との共通の祖先は、約600年前の伏見宮貞成親王までさかのぼる。宮内庁は親等の隔たりを36から38と説明している。
迎えられる側が縁組を受けるかどうかも要件になる。そして世論調査では、2つの柱の受け止め方が分かれている。
改正の2つの柱への賛否
出典:毎日新聞世論調査(2026年6月20〜21日、有効回答2,045人)
附則に入った30年という間隔
改正法の附則には、見直しの規定が置かれた。皇族数の確保の状況などを踏まえ、必要に応じて30年ごとに制度を見直すという内容だ。
30年は、生まれた子が親になるまでのおおよそ一世代にあたる。養子に生まれた男子から継承資格が生じる設計なので、この策が皇位継承にどう効くかが分かるまでには、それだけの時間がかかる。
一方で、女性皇族の身分保持は10月24日から効く。40代以下の皇族6人のうち5人に関わる変更だ。ただし施行時に皇族である女性は、結婚にあたって皇族を離れることも選べる経過措置が置かれている。
皇族数は1994年の26人がピークで、いまは16人。女性天皇や女系天皇を認めるかどうかは、今回の法案には入っていない。
だから10月24日以降、2つの数字は別々に動く。皇族の人数は減り方が変わり、皇位を継げる人数は一世代先まで3人のままだ。改正の効果を話すときは、どちらの数字のことなのかを分けて読む必要がある。