独自分析
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解散を届け出れば最後の収支報告書がいる。2年出さずに消えた158団体にはいらない

解散を届け出れば最後の収支報告書がいる。2年出さずに消えた158団体にはいらない

2年続けて未提出だと、法律上は「届出のない団体」になる。総務大臣届出分の「その他の政治団体」の提出率は、3年続けて90%台前半だ

2026-10-17

158

今年事実上の解散となった政治団体

報告書を出さなかった158団体

JNNの集計では、2024年分と2025年分の政治資金収支報告書を2年続けて出さなかった政治団体が158あった。2026年4月30日時点の数字だ。

関係する現職の地方議員や首長は151人。前年の214団体から56減っている。

未提出の理由として挙がったのは、お金の出入りがなかった、忙しさにかまけた、というものだった。

ただ、政治資金規正法12条1項は「これらの事項がないときは、その旨」を書いた報告書を出すよう求めている。

収入も支出もゼロなら、ゼロと書いた報告書を毎年出すことが義務になる。出入りがなかったことは、出さなくていい理由にはならない。

みなし解散になった団体の名前は、都道府県の公報や官報、インターネットで公表される(17条3項)。誰にも知られずに消えるわけではない。

2年続けて収支報告書を出さず事実上の解散となった政治団体の地域別内訳(2026年4月30日時点)

出典:JNN(MBSニュース)の集計

届け出る解散と、出さずに消える解散

同じ法律の中に、政治団体の終わり方が2つ用意されている。

  • 17条1項:解散したら30日以内に届け出て、その日現在の収支報告書を出す
  • 17条2項:期限までに出さず前年分も出していないと、8条の適用上「届出をしていない団体」とみなされる

違いは、最後の1枚があるかどうかだ。

届け出て解散する場合、残っていた資金がいくらで、どこへ移ったかが最後の報告書に載る。2年出さずに消える場合、その報告書を出す規定はない。

8条は、届出のない団体は寄附を受けることも支出することもできないと定めている。活動はそこで止まる。それでも、止まるまでの2年分の収支は記録に残らない。

どちらの経路でも団体は名簿から外れる。違うのは、外れたあとに何が残っているかだ。

2年連続の未提出で事実上の解散となった政治団体数

出典:JNN(MBSニュース)の集計

提出率は3年ほとんど動いていない

この未提出は単年の出来事ではない。総務大臣に届け出た団体の提出率は、総務省の公表で3年続けてほぼ同じ水準にある。

  • 令和4年分:90.8%(うち「その他の政治団体」は90.2%)
  • 令和5年分:91.1%(同90.6%)
  • 令和6年分:90.9%(同90.3%)

政党本部、政党支部、政治資金団体は、3年とも提出率100.0%だった。

出していないのは「その他の政治団体」にほぼ集まっている。議員の後援会などが入る区分だ。

令和6年分で提出したのは2,910団体。提出率から逆算すると、毎年280から300団体ほどが出していないことになる。失念で説明するには、数が毎年そろいすぎている。

これは国に届け出た団体だけの数字だ。

総務省が都道府県選管の届出分まで合わせて公表した令和元年分は、提出が58,967団体で提出率94.5%だった。未提出は3,400団体ほどになる。

令和6年分の政治資金収支報告書の提出率(総務大臣届出分)

出典:総務省「令和6年分政治資金収支報告の概要(総務大臣届出分)」

消えた団体をもう一度つくる

17条2項の効力は「届出をしていないものとみなす」ところで止まる。団体の設立を禁じる規定ではないから、6条の届出をやり直せば同じ名前で再開できる。

報道によれば、今年解散となった151人のうち少なくとも12人は、過去にも未提出で団体を解散させられていた。

2年連続の未提出を4回繰り返し、8年分の提出義務を果たしていなかった例もある。

繰越額が約140万円あった休眠団体の資金を、同じ名前の新しい団体に移して今年の収入に計上する、という説明も出ている。

その報告書が公表されるまで、資金の流れは確認できない。

報告書の不提出には5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められている(25条1項1号)。それでも起訴に至る例は少ないと指摘されている。

みなし解散は退場ではなく、届出の入口に戻る手続きとして働いている。

だから論点は、罰則を強めるかどうかよりも、みなし解散にも最後の報告書の提出を結び付けるかどうかに移る。そこを変えないかぎり、来年も同じ規模の団体が同じ理由で消える。