
内閣支持57.7%の裏側 — 閣僚「二極化」が突きつける課題
平デジタル大臣59.6%の快進撃と、盛山文科大臣の不支持90.9%。明暗分かれる高市内閣。
2026-03-16

この記事の全体像
全体像 — 支持率57.7%と閣僚評価の開き
高市内閣の支持率は57.7%、不支持率は7.6%で、政権全体としては安定した評価を得ている。一方、閣僚個別の評価を見ると、内閣支持とは異なる構図が浮かぶ。8名の閣僚のうち支持率が二桁に達するのは4名にとどまり、残る4名は支持率1%未満である。最も大きな差は、平将明デジタル大臣の支持率59.6%、不支持0.3%と、盛山正仁文科大臣の支持率0.0%、不支持90.9%の間にある。8閣僚の支持率の標準偏差は約22ポイントに達し、評価は明確に二極化している。有権者は、経済安全保障、デジタル改革、防衛力強化といった政策の方向性には一定の支持を示しつつ、その実行を担う閣僚には実績や信頼性に基づく厳しい評価を下している。ヒーロー数値である59.6%は、平デジタル大臣が閣僚トップであることを示す。
閣僚支持率ランキング
2026年3月15日時点
高評価グループ — 平・中谷・高市・加藤の4強
支持率上位は、平将明デジタル大臣、中谷元防衛大臣、高市早苗総理大臣、加藤鮎子こども政策担当大臣の4名である。平大臣は59.6%、不支持0.3%で、唯一、内閣支持率57.7%を上回った。319票中190票近くが支持で、不支持はわずか1票にとどまる。行政手続きのオンライン化、マイナンバーカードの利便性向上、書かない窓口の全国展開など、生活に近い改革が評価につながっている。中谷防衛大臣は27.9%、不支持16.9%で、台湾海峡や朝鮮半島情勢が緊迫する中、日米同盟の深化と自衛隊の体制整備を進める姿勢が支持された。不支持には安全保障分野への反対票も含まれるが、支持が不支持を11ポイント上回り、投票数556票は関心の高さを示している。
閣僚不支持率ランキング
2026年3月15日時点
高市総理と加藤大臣 — 期待と低不支持の読み方
高市総理は支持率23.2%、不支持16.9%で、投票数は1,299票と全閣僚で最多だった。全政策分野の最終責任者であるため評価が分散しやすく、23.2%という数字は、期待はあるが満足には至っていない層の存在を示唆する。加藤こども政策担当大臣は支持率15.5%、不支持0.9%で、不支持率の低さが目立つ。少子化対策で明確な成果が見えた段階ではないものの、政策の方向性や今後への期待が支持に反映されている。上位4名は、それぞれ評価の理由が異なる。平大臣は成果の可視化、中谷大臣は安全保障環境への対応、高市総理は政権全体への注目、加藤大臣は低い拒否感と将来期待である。内閣支持57.7%の内側には、こうした複数の評価軸が併存している。
低評価グループ — 支持率1%未満の構造問題
深刻なのは、支持率1%未満の4閣僚である。盛山文科大臣は支持率0.0%、不支持90.9%で、318票のうち約289票が不支持だった。教員不足、いじめ対応の遅れ、不登校の増加など教育現場の課題に十分な対応が示されていないとの批判に加え、旧統一教会との接点をめぐる過去の問題も影響している。萩生田光一官房長官は支持率0.0%、不支持84.3%。投票数は1,043票と多く、関心の高さが不信として表れている。官房長官は日々の記者会見で政権方針を伝え、危機管理の司令塔も担うため、この評価は政権の発信力に関わる。政治資金問題や旧統一教会問題をめぐる過去の対応への不満も根強い。
西村・上川両大臣と今後の焦点
西村康稔財務大臣は支持率0.1%、不支持41.0%で、776票中の支持はほぼゼロに近い。物価高が続く中、増税議論や社会保険料引き上げへの不満が財務省トップに集まっている構図である。上川陽子外務大臣は支持率1.1%、不支持1.1%で拮抗しているが、投票数は176票にとどまり、外交への関心の低さも示す。これら4閣僚の合計不支持票は1,000票を優に超え、政権にとって無視しにくい負担となっている。内閣支持57.7%と個別閣僚評価の乖離は、政策の方向性は受け入れられても、実行チームへの評価が割れていることを示す。特に萩生田官房長官の不支持84.3%、盛山文科大臣の不支持90.9%は、次の内閣改造で焦点となる。
内閣改造の論点 — 政権後半戦の分岐点
内閣改造が行われる場合、論点は二つある。第一は、萩生田氏の後任として誰が官房長官に就くかである。官房長官は政権の顔であり、交代すれば内閣の印象は大きく変わる。第二は、平デジタル大臣のように改革の見える化に成功した人材を、より重要なポストに登用するかどうかである。平大臣の59.6%という支持率は、官房長官や経済閣僚への配置転換を検討する材料になり得る。自民党の政党支持率31.1%は、316議席の巨大与党としては物足りず、チームみらい23.5%、国民民主党12.8%の追い上げも受けている。高市総理個人への依存から、閣僚チーム全体の信頼で政権を支える形へ移れるかが問われる。二極化を放置すれば、57.7%の内閣支持率が低下に転じるリスクもある。